人間の本質が最大の弱点
トレーダーは成功すると、彼はそれが自分の功績で、自分の判断は正しく、すべて
自分の力でやったのだと思いがちだ。一方、損をしたときは態度は変わって、自分を
責めたり損失について自分に原因を見つけようとはめったにしない。何か良いわけを
見つける。予期しないことが起きたのだと自分に言い聞かせたり、他人の言うことを
聞かなければ儲かったのに、と思ったりする。「もし」「そして」「しかし」とかをたくさん
見つけて、自分のせいではなかったことにする。二度目にまたもや失敗して損を被る
のは、こうした態度のためだ。
投資家やトレーダーは自らを救済する道を見出し、自分の損については他人ではなく
自分自身を責めるべきだ。というのは、そうしなければ自分の弱点を決して矯正でき
ないからだ。結局、損を出したのは自分の行為なのである。売買したのは他ならぬ
自分だからだ。自分自身の問題点を探して正さなければならない。そうした後で、
初めて成功することができるのだ。
トレーダーが損をする主な理由の一つは、自分で考えずに他人に考えてもらったり
アドバイスをしてもらったりすることだ。他人のアドバイスや判断が自分のものより良い
わけでもないのに。成功するには自分自身で研究し調査しなくてはならない。
「子羊」から脱却して、考える人となって、知識を求めるのでなければ、子羊の道-
追証請求者の斧で屠られる道-を歩むことになるだろう。他人にできることは自助
する人を助け、あるいは、自らを助ける方法を教えることだけだ。
筆者は世界で最良のルールと株のポジションを判定する最良の方法を教えることが
できるが、それでも投資家は最大の弱点である人間の本質が原因で損をする可能性
はあるのだ。ルールに従わないこともあろう。事実ではなく、願望や不安に基づいて
行動することもあろう。後れをとることもあろう。待ちきれなくなることもあるはずだ。
行動が早すぎることもあるし、遅すぎることもある。それを人間の弱点であると自分を
偽ったり、相場のせいにしたりする。損が出るのは自分の誤りであって、相場や
相場操縦する者のせいではないことを常に忘れてはならない。それゆえ、ルールに
従うよう努力すべきだ。さもなければ、投機には近づかない方がよい。失敗すること
必定だからである。
(P239)
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