期待できる利益
ほとんどのトレーダーは、投機で大き過ぎる利益を期待している。年に25%の利益率でも10年や
20年と続くとどのくらいになるのか計算しようとはしない。1,000ドルの資金で始めた場合、年間
利益率が25%で10年間続くと9,313.23ドルになる。10,000ドルから始めたとすれば、10年間で
93,132.25ドルになるのだ。控えめにして期待し過ぎるのを止めさえすれば、しかるべき期間に
蓄財することがどんなに容易か、これでお判りだろう。
ところが多くのトレーダーは、一週間や1ヶ月で資金を倍にできるくらいに思ってウォール街に
やって来る。そんなことは不可能だ。多額の儲けが1日、1週間、あるいは1ヶ月でできる
例外的なチャンスも時にはあるが、そうしたビッグ・チャンスは非常に稀である。また、そうした
機会に遭遇した時は願望によって判断が奪われないようにし、そんな大儲けを続けようと期待
してはいけない。相場はたいてい普通の動きをするものであり、多くの場合、通常の利益しか
上げられないことを覚えておくことだ。トレーダーの多くはどれだけの利益を上げられるかを
考えずに株の売買をしており、損の可能性については考えもしない。
しかし、次のことをルールにすべきだ。「僅か1~2ポイントのストップロスオーダーを使う
場合は別として、3~5ポイントの利益しかあがらないと思われる時は決して売買しないこと」。
3~5ポイントの利益の可能性しかない時に3~5ポイントの損のリスクを負うのは割に合わない
のが普通だ。チャンスのある時、あるいは、少なくとも損失より利益の可能性が高い時に取引する
ようにするとよい。儲けのチャンスが3~5ポイントしかないと思われる時に売買を始めても
無駄だ。判断の誤りからそれ以上の損になるかもしれないからだ。株価が抵抗線(または支持線)
を上(または下)に抜けるまで待ってから取引を始めるのがよい。株価の動きの幅が大きく、
より多くの利益を上げる機会だからである。
超短期売買は儲からない。損が嵩むだけだ。成功するには利益が常に損失を上回らなくては
ならないことを忘れてはならない。損切りは早く、利益は伸ばすこと、これがルールだ。
(P236)
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