持ち、これに従わなければならない。下に示した24(28)のルールは、筆者自身の
経験に基づいたもので、これに従えば誰でも成功するはずだ。(W.D.ギャン)
どれだけ利益を上げるか、あるいはどれだけ損をするかではない。損得の問題は
考慮の外に置くべきである。目的は相場に正しくあることである。すなわち
トレンドに従うこと。トレンドを正確に判断するため、常に研究を怠らないこと。
儲けのことは考えない。相場に正しくあれば、儲けはついてくる。間違えたとき
は、昔からの信頼できる防御手段、つまりストップロスオーダーが役に立つ。
1 資金を10等分し、1回の取引に資金の10分の1以上のリスクを決して取らない。
2 ストップ・ロス・オーダーを使うこと。取引にあたっては5セント以上離さず、常に
1~3セント差でSLOを置いてポジションを守ること。
3 過剰な売買は決してしない。これをすることは資金運用の原則に反することになる。
4 儲けを損失に変えない。3セント以上の含みが出来れば、利益を失わないように
ストップ・ロス・オーダーを近づけること。
5 トレンドに逆らわない。自分のチャートとルールに従って、相場のトレンドに確信が
持てないときは売買しない。
6 疑わしいときは手仕舞い、取引をしない。
7 活発な銘柄のみを取引する。動きが鈍く、活気のない市場には手を出さない。
8 リスクの均等分散。できれば2種か3種の商品を取引する。
資金全部を1商品に集中させることは避ける。
9 指値をしてはならない。売買の価格を決めず、成り行きで売買すること。
10 充分な理由なしで手仕舞わない。利益を守るにはストップ・ロス・オーダーでフォローする。
11 実現益は蓄積せよ。連続して取引に成功したら、一部は温存し銀行口座にいれ、
緊急時やパニック時にだけ使うこと。
12 配当目当てで株を買わない。(小掬(すく)い商いしない。)
13 難平をしない。難平はトレーダーの最大の誤りである。
14 我慢できないというだけで相場から逃げない。また、待ちきれなくなったと言うだけで
手を出さない。
15 小さな儲けと大きな損は避ける。
16 建玉と同時にストップ・ロス・オーダーを出し、これをキャンセルしない。
17 あまり頻繁に売買しない。
18 買いを厭わないのと同様、空売りを厭わないこと。トレンドに追随し儲けることを目的とする。
19 安いというだけで買ってはならないし、高いというだけで売ってはならない。
20 ピラミッディングのタイミングに注意する。商品が非常に活発になり抵抗線を抜けるのを
待ってから買い増しし、支持水準を割るまで待ってから売り増しする。
21 買いのピラミッディングをするには強力な上昇トレンドを示す商品(発行済株数の
少ない銘柄)を選び、売りのピラミッディングをするには明確な下降トレンドを示す
商品(発行済株数の多い銘柄)を選ぶ。
22 ヘッジは決してしない。ある商品を買い建てしていてその価格が下がり始めた時、これ
をヘッジしようとして別の商品を空売りしてはいけない。この場合は相場から手を引いて
損を確定し、次の機会を待つ。
23 充分な理由なしにポジションを変えないこと。取引する場合は充分な理由に基づくか、または
明確なルールによること。また、相場のトレンドが変わる明白な徴候なしには手を引かない。
24 長期間成功し儲けた後で取引量を増やすことは避ける。
25 相場が天底となる時を当て推量してはならない。天底は相場が明らかにする。明確な
ルールに従うことで、相場をすることができる。
26 自分よりも相場を知らない人の助言に従ってはならない。
27 損が出た後では取引量を縮めよ。決して増やしてはならない。
28 間違えて入ることを避けるのと同じく、間違えて手仕舞うことも避ける。二つながら
間違いだからである。
取引開始の際、成功に不可欠で重要なこの28のルールのどれにも違反しないようにすることだ。
損をして手仕舞った時は、どのルールに違反したのかを調べておく。そして次の取引では同じ
間違いをしないことだ。経験と研究を通して、これらのルールの価値が理解され、観察と学習
を続けることで、ウォール街で成功する正しく実践的な理論に近づくことができるであろう。
(Ⅱ・P237)
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